第2話 自然の柿を使い干し柿づくりに挑戦

秋の味覚

秋には、柿、クリ、椎茸など自然の味覚を収穫できます。
里に古くからある自然の柿の木の実をとり、干し柿を作ってみました。


干し柿の思い出

子供の頃、秋に田舎に遊びに行くと、お婆さんが縁側にたくさん柿を吊るしていました。たくさん頂きました。美味しかった懐かしい思いが残っています。


古民家の軒下の干し柿

売り物の干し柿も良いですが、自前のものは、とても甘く美味しいんです。
柿の皮をむいで、外に吊るして約1ヶ月弱で美味しく出来上がります。お試しあれ!


干し柿に使う柿の実

柿は、とってそのまま食べることができる甘柿と、渋くて食べられない渋柿があります。干し柿は渋柿の実を使います。柿の木は、特別に肥料をやるわけではありません。自然のままの毎年、秋になると実をつける、柿の木の実を採ります。

木になっている柿は人間さまだけの食べ物ではありません。動物もこれを食べます。
採った実は、渋くてそのまま食べることができません。干し柿にすることで、渋が抜けて甘く美味しい干し柿になります。


熟した渋柿の実

木になっている渋柿はとって食べれない…と思っていました。ある時、年配の方が柿の木の近くを歩いていました。「柿の実が熟して落ちとる。美味しいのにもったいないことをする!」と言いました。熟した渋柿を食べてなるほど美味しいと同感しました。


自然の渋柿


柿の実採り

高い所になっている柿の実をとるには、手が届かないので、ひと工夫が要ります。
まず、柿木は簡単に折れるので、人が木に登ってとることは大変危険です。

柿の実をもぎ取る道具

実は柿の実を枝付きでもぎ取る道具があります。竹ばさみとでも言いましょうか。長い竹の先を二股に切り出し、柿の枝が入り込むようになっています。

柿の実の付いた枝をここに挟み、ひねり、枝を折って柿の実をとります。こうすれば、柿の実を挟んだままとることができます。実が高いところから落ちて、割れたり、頭の上に落ちてくることもありません。良く考えた道具です。


竹ばさみ

干し柿作りの必要品

干し柿作りに揃えるものをリストにしました。
 1.渋柿(必要な数)
 2.柿の実とり道具(1つ)
 3.細紐(干し柿1つに40cmくらい)
 4.皮むき(料理用)
 5.鍋と熱湯(吊るす前の消毒)
 6.吊るし場所(軒下など)

干し柿作りの手順

1.柿の実をとる

道具(竹ばさみ)を使い渋柿の実をもぎとる
*熟す前の実をとる
採った後は、熟すのが早いので、早めに使い切る

2.枝の処理と紐かけ

*ひとつ工夫 皮むぎの前にひもを付けると、楽に作業が出来ます。むいだ後に紐を掛けるのは結構素人には難しいです。わらなどの紐でなくビニルの紐を使います。

紐掛けした渋柿


3.皮むき

紐づけした柿の実の皮をむぎます。料理用の大根やジャガイモの皮をきれいにむぐ道具があります。包丁でなくこれを使うと、素人でも、安全に、早く皮むきができます。


4.熱湯につける

皮むきを終わって、外に吊るす前に、熱湯の中に1分程つけます。これは、カビが生えにくくするための処理です。

5.軒下に吊るす

むいだ柿に実を吊るす場所は、日向で直接日光が当たらない、雨が掛からなない風とおしのよい場所を使用します。
美味しいものは、人間以外に動物が狙っています。鳥や、小動物に先取りされないように、必要に応じてネットなどで保護します。


干し柿の吊るし開始

6.干し柿の出来上がり


*約4週間経つと食べることができます。

いっぺんに作るのも良いですが、食べる量をみこして、例えば一週間に一度10個づつとか吊るすと、いつでも食べ頃の干し柿が頂けますよ。
柿の水分がなくなり、渋がとれます。実は小さくなりますが、柿の独特の甘い、干し柿になります。


干し柿の出来上がり


まとめ

自然に取れたもの、そのままの美味しさが味わえます。お菓子などの人工的な味とは異なる美味しさを味わうことができます。何よりも、材料費もほとんどかからず安上がりで、誰でもできるところがおもしろいところです。

便利さとスピートを求める現代ですが、こうした古くから食してきた材料を自分なりに作り食すことは、格別の楽しさがあります。