第7話 梅の木の剪定を考える 梅の豆知識

剪定のコツがどうもうまく理解できません!


大きな古い梅の木

谷間の湧き水の水源の近くに梅の木があります。毎年、2月になると、必ず、かわいいピンク色の梅の花を咲かせます。

毎年、淡いピンクの花が咲きます

そして、5月には、果実がなります。昨年も40個程度の果実をとることができました。
放ったらかしで、面倒見をしていないのですが、小ぶりですが、きれいな果実がなります。
この梅の果実を使って、自家製の梅干しや梅酒にして楽しんでいます。


大きな古い梅の木からとれる小粒の果実


 自然のままの梅の木

この梅の木は、10年以上も剪定をせず、放ったらかしの状態です。ここまでボサボサになってしまい、どのように手を付けて良いか分からない状態でした。それでも、毎年、梅の果実がなります。

梅の木の剪定時期は11月末から3月が果実のなる枝作りに適していることから、2月になり、今年こそは、剪定してみようとやっと、腰を上げました。


長い間剪定をしていない細い枝でもつれた梅の木 (1月)

写真は、1月の冬の時期に撮影した梅の木です。木の高さは2.5mほどになります。葉々は全て散り、枝の部分が丸見えになっています。

細い枝がもつれるほどに、ボサボサに生えていることに、今頃になって気付きました。

開花がはじまった時期で、新しい細い枝には花芽と枝芽があります。梅の特徴です、まず、花芽が開花します。1ヶ月後には枝芽から枝葉が伸びはじめます。


 剪定方法

どうやって、剪定するかについて、まず、方法をまとめてみることにしまた。

《NHK趣味の園芸テキストを参考》

「実のなる木」の記事から引用してみました。

ずっと剪定していない木

《まず、長い枝を出します。剪定をしていないと細くて弱々しい枝しか付かず、枝の更新ができないため、今年伸びた部分を半分残して切り詰めます。

混み合った枝は、適度に間引いて風通しを良くします。
今年だけの剪定ではい終わらず、1年後には枝を整える作業が必要になります。》


 実際の剪定

次の手順で進める事としました。

 1)古く枯れた枝の切り出し

添付の写真にあるように、古い細い枝が絡まっていますので、これを先に落とすことにします。よく見ると既に枯れた枝が、そのまま残っています。

加えて、長い枝が出るよう (見えるよう) に新しい枝も、適当に落としてすっきりさせます


Before 古い枝の剪定前

古い枝を落とす作業を行ったのが下の写真です。比較すると、古い枝(白っぽい部分)がなくなり、すっきりとしているのが分かると思います。



After 古い枝の剪定後


 2)果実のなる細い枝が出るよう枝の剪定 

梅は前年に伸びた枝に花が咲き果実がなります。花が咲いても、すべての花に果実がなるわけではありません。30cm以上の長い枝には果実がほとんどなりません。一方、10cm〜20cmの中くらいの枝、10cm以下の短い枝には高い割合で果実へと成長します。

このことから、中くらいの枝を多く残すと同時に、短い枝が多く発生するように枝の剪定を行います。実がなりにくい30cm以上の枝は、鉛筆くらいの太さであれば、先端を1/4切り詰めることで、果実のなる細い枝を出させることができます。


<枝の剪定のヒント>

枝の状態を実際の梅の木に対比させてみます。


Before 梅の木の枝の様子

写真は、古い枝を切り落としたが、新しい細い枝は処理してない状態のものです。細く長い枝が伸びているのが分かります。30cm以上の長い枝がほとんどで、これでは、果実がほとんどならない状態です。

枝の剪定のヒントを参考に、10cm~20cmの枝の長さになるように剪定をしたのが下の写真です。

来年度に枝が伸びるように、長い枝を出すようにすっきりさせます。枝先をカットし、来年の枝を考慮した剪定をしています。


After 細い枝を10~20cmの長さを意図して剪定






 私の梅の木の剪定の基本(まとめ)


枝の構成の基本は、
 木の中心となる長い枝を数本出す
 基本となる太い長い枝を決め、この枝から細い枝を出す。

 新しい細い枝を出す
 この基本の長い枝から、新しい細い枝が出るようにする。
 その年の新しい細い枝から花が咲き果実がなる。

 細い枝の剪定
 果実がなり易いように10~20cmの長さに剪定する。

この「枝の更新」がポイントのようです。

うまく剪定できたかどうか、梅の剪定は初めてのことで、自信のほどは、小さいのですが…。

果実のなる5月が楽しみです。

今回の記事は、梅を育てる話でした。果実は、食して健康に効果があること。花を見る、鑑賞する梅もあります。次回はこれらの実践編と称してまとめて見たいと思います。

それまでの参考に梅の豆知識として、少々付け加えました。


《梅の豆知識》

原産は中国(中〜南部)らしいとの事です。日本へは1200年以前に渡来したと信じられており、最初は白梅ばかりだったそうです。

ちなみに梅が渡来したと伝えられる8世紀は、飛鳥時代で、西暦710年は元明天皇の西暦710年の平城京への遷都があり、奈良時代の始まりと言われています。

 花梅と実梅

梅に花観賞用と食用があることが分かりました。
 
花梅とは、花を観賞するためにつくられた梅の品種の総称だそうです。また、実梅とは、梅干し、梅酒にする果実を収穫する品種の総称であるとのことです。

花梅と実梅の区別はあまいで、花梅と実梅を両立している品種もあるそうです。

梅の渡来の歴史から、本来は食用として、白梅が入ってきました。観賞用の梅は、白梅から紅梅として品種改良されたようです。

観賞用の紅梅の登場は平安時代で、9世紀半ばころまで貴族にもてはやされました。やがて、「儚さ」を好む平安貴族文化の中で桜が主役となっていきます。


 一重と八重

八重咲きの梅の花

梅の花には一重と八重があります。
八重の花弁は、おしべが花弁に変化したもので、八重咲の梅は、ほとんど果実のならない観賞用の花梅ばかりです。

 梅の果実の効能

難しい事は抜きにして、簡単な内容を列記してみます。
梅は、昔から、保存食の梅干しとして重宝されています。

 1)ミネラルが豊富
カルシウム、鉄、マグネシウム、亜鉛などを多く含む。

 2)疲労回復効果、老廃物の溜りを抑える。
クエン酸、リンゴ酸などの有機酸が糖質の代謝を促し活性化する。

 3)食用の増進
クエン酸が唾液の分泌を促進し食欲を増進させます。

 4)体のアルカリバランスに有効
健康のためには体液を弱アルカリ性に保つ必要があります。ご飯や肉魚は酸性食品であるため、アルカリ性食品の梅がバランスをとることが出来ます。

 5)カルシウムや鉄の吸収の促進
クエン酸には、吸収率の低いかカルシウムや鉄の吸収を促す効果があります。

 6)血液をサラサラに
梅のビルビン酸が、肝臓機能の強化に有効といわれており、梅を加熱した食品、ジャムや梅肉エキスは糖とクエン酸が結合したムメフラールが血流を改善し、血栓予防や動脈硬化の生活習慣病の予防に役立ちます。

 7)梅の殺菌作用
クエン酸は殺菌・除菌効果に優れています。おにぎりや弁当に梅を入れると、微生物の繁殖を抑え食中毒の予防となります。

 8)美肌・老化防止・浮腫み解消・肌のシミ・シワ防止
クエン酸は新陳代謝を原因のとなる内臓の老化を促し、体内の老廃物の排出を促し、浮腫みの解消。肌など、老化防止を期待できます。



梅の持つ、クエン酸 & カルシウム & 鉄分が健康に効果的

良いことづくしの梅の果実です。

テーマの「剪定」から少し外れてしまいましたが、日ごろ、健康に気を配っている私たちには、豆知識としては大切だと思います。酸味を気にする方もいるかもしれませんが、この機会に、食卓に梅干しを加えてみようと思います。

以上